内モンゴル民主党創建一周年にあたっての声明

内モンゴル民主党創建一周年にあたっての声明
 内モンゴル民主党創建一周年にあたり、中国共産党による南モンゴルのモンゴル人に対する圧迫の問題に心を寄せる世界各国の皆様に対し、心より御礼と御挨拶を申し上げます。
我が党は、南モンゴルにおける中国の殖民地支配を終結させ、モンゴル民族の主権を回復し、自由・平等・民主・法治の理念に基づく公正な近代社会を実現させることを目標に掲げて設立され、この一年間に数多くの党員及び支持者を迎え入れて組織を拡大して参りました。現在、南モンゴルでは、土地強奪による牧民の失業及び貧困化が進み、非科学的な農地開墾による沙漠化、鉱山開発と工場建設による大気・水源・土壌の汚染が深刻化し、民族教育衰退によりモンゴル民族の言語及び伝統文化が消滅の危機に瀕しております。これはダライ=ラマ法王猊下の言を借りれば文化的ジェノサイドであり、中国共産党が長期間にわたって意図的にモンゴル民族を抹殺し、完全に同化するための政策を遂行している動かぬ証拠であります。この一年間における党員及び支持者の急激な増加は、大多数のモンゴル人がこうした現状に危機感を抱き、状況の改善を切望していることの反映であると言えます。
中国共産党によるモンゴル人に対する弾圧は、言語に絶するほど、巧妙且つ卑劣を極めており、このため党員及び支持者の多くは秘密裏に活動せざるを得ません。しかし、非政治的な分野においても、モンゴル民族の言語教育・伝統文化・宗教信仰・歴史研究を発展させるために尽力されておられる方々や、南モンゴルのモンゴル人の人権を擁護するために励んでいる方々が、国内外に大勢いらっしゃいます。我が党は、こうした方々の多大なる御努力に対し、深遠なる感謝と至上の尊敬の念を捧げます。
今年は、キャフタ条約でモンゴル国が南北分割されたことにより南モンゴル民族解放運動の歴史が幕開けた1915年から100周年にあたり、南モンゴル民族解放運動の中心的役割を担ってきた内モンゴル人民革命党が創建された1925年から90周年にあたる重要な年です。こうした長い歴史の中でモンゴル民族の自由の為に身を犠牲にして闘ってきた有名無名の数多くの先輩方に対しても、我が党は誠実なる敬愛の念を捧げます。
 昨年の12月10日に、我が党の先輩であり、問題認識を同じくする南モンゴル民主連盟のハダ主席が15年間の冤獄と4年間の不法監禁から解放されました。ハダ先生が御家族の元に戻られたことは慶賀すべきでありますが、現在も厳重なる監視下に置かれ、適切な医療を受けることは許されず、義捐金が振り込まれた銀行口座は凍結され、知人・支援者・外国人記者等との接触は制限されており、真の意味での自由には程遠い状況にあると言わざるを得ません。
 この20年間、ハダ先生は中国政府による苛烈な弾圧に屈服し、節を曲げることはありませんでした。中国政府は、ハダ先生に思想信条を放棄させるために、拷問・薬物投与・家族や友人に対する迫害等、ありとあらゆる汚い手段を講じ、今もなお、経済的に困窮させようと極悪非道な圧力をかけております。これは、人間の自由意思に対する挑戦であり、人間性に対する冒涜であり、人類の歴史を逆行させようとする暴挙であります。このような想像を絶する熾烈な圧力に対し、ハダ先生は、超人的な精神力をもって抵抗し、20年間の長きにわたって耐え抜き、自らの正義を貫いたのです。この事実は強権的な政府に圧迫されている全ての人に勇気を与えるものであり、公正な社会の実現に向けて発展する人類の歴史の中で燦然と輝く、自由意思の勝利であります。
 そこで我が党は、ハダ主席にノーベル平和賞を授与するようノルウェー王国政府に働きかけることを、自由意思の価値を尊重する全世界の皆様に呼びかけます。ハダ先生の20年間にわたる肉体的・精神的忍耐は、ノーベル平和賞の名に充分に値するものであり、ハダ先生にノーベル平和賞を授与することは、あらゆる独裁・差別・腐敗・暴力・破壊に反対する明確な意志の表明となり、その根絶に向けた闘争を励まし勇気づけるものであります。
 今もなお継続しているハダ先生の闘いに心を寄せる皆様が、世界各国のノーベル平和賞推薦資格者(国会議員、閣僚、国際裁判所の裁判官、大学の学長、社会科学・歴史学・哲学・法学・神学の教授及び名誉教授、平和研究所や外交政策研究所の所長、ノーベル平和賞の受賞者、ノーベル平和賞の受賞団体の役員、ノルウェー王国ノーベル委員会の委員及び元委員、ノルウェー王国ノーベル委員会の元アドバイザー)に対し、ハダ先生をノーベル平和賞に推薦するよう働きかけて下さい。今こそ世界の人類は、自由意思の尊さを再認識し、暴力や脅迫、誘惑や買収に屈することなく、正義と公正に殉じる人々に敬意を払うべきであります。そして、そのことが圧政を転覆し、人類に真の自由と平等をもたらす力になることを思い起こすべきであります。

2015年3月21日

内モンゴル民主党


コメント